ホームシアター ,リビングシアター,超短焦点プロジェクター,壁紙

壁際に設置できる超短焦点プロジェクターはリビングシアターに最適なのか

少し前からここ最近にかけて、SONYやPanasonic、LGなどから新商品の発表が多いと感じる壁際わずか数センチとギリギリに設置できる箱のような形状の超短焦点プロジェクター。何より見た目のデザインもオシャレでインテリアにも馴染みやすく、現在主流となっている無骨な「いかにもプロジェクター」な形をしていないことから、それなりに部屋を暗くする必要があるもののリビングにあるテレビ代わり大画面を手に入れるきっかけになるのかもしれない。

確かにテレビも大画面になる程、映像の迫力は増すが同時に存在感も増す。大袈裟にいえばテレビを消している間はリビングに黒い物体が壁のようにそびえ立つ姿はまるで「2001年宇宙の旅」の“モノリス”のようだ。それでもテレビはどんどん大画面にシフトしている。だからなのか最近はプロジェクターメーカーもそれに代わる提案のつもりかポータブルも含めて一般家庭向けにリビングや部屋の壁にも手軽に投影できる超短焦点プロジェクターとして発表、発売をしている。

壁際設置できる超短焦点プロジェクターのメリット

確かにテレビボードの上に置けるような超短焦点プロジェクターにはメリットがある。投影する壁際に設置するので視聴者と投影画面の間に障害物があっても影が出ない。人が前を横切っても影ができないので、“お邪魔レベル”はテレビと変わらない。設置にしても超短焦点プロジェクターにもよるだろうが、難易度として多くは現在主流のプロジェクターと比較すればテレビ用のローホードの上や壁際に置くだけでいいので簡単に設置できる。

壁際設置できる超短焦点プロジェクターのデメリット

プロジェクターとして形状の好みもあるだろうが、一見プロジェクターとしてはメリットだけのような気もする。だが気をつけてもらいたいことがある。それは壁際に設置するという特性から基本的に投影は下から上に向けて光が投射されるということだ。これは何を意味するのかというと「手軽に“壁”に投影できる」と言うところに関連する。部屋の壁が白いペンキで塗られた“塗り壁”や“プロジェクター用壁紙”ならまだしも、一般的に採用が多いと思われる壁紙はエンボス加工やシボ加工などのテクスチャーが施されており凹凸(おうとつ)がある。我が家も投影するリビングの壁の壁紙も当然白色だがキャンバス柄で細かい凹凸が付いている。これが壁際設置可能な超短焦点プロジェクターでは意外なほど障害になるのだ。“光は影を作る”…これだ。プロジェクター用のスクリーンは近くで確認すれば生地の目があるのでそれにより厳密に言えば凹凸はあるが、壁紙とは比較にならない細かなもので決して視聴位置から確認できるものではない。

プロジェクターの強い光は凹凸を目立たなくする

プロジェクターからの光は相当強い。その光の強さで壁紙の凹凸はかき消されてしまうので、通常の部屋に常設するようなプロジェクターではそれほど壁紙のテクスチャーは障害にならない。経験上の主観になるがカタログスペックでANSIルーメンが1800〜(実測900〜)以上あれば壁紙の凹凸は投影中でもよほど注視しなければほとんど気にならなくなる。それほどプロジェクターの光は強いのだ。

しかし、これはあくまでも壁紙に対して正面から投影した(光を当てた)場合。横からや下からなど光の入射角に角度がつくと壁紙の凹凸が影響して影ができてしまう。その結果、壁紙のテクスチャーにもよるが投影画面がザラザラとした状態に見える。壁紙の凹凸があまり目につかないようにある程度距離を置いて見ても、結果的にその影の影響で本来そのプロジェクターが持つ明るさのポテンシャルよりも輝度が著しく落ちて見えてしまう。通常設置のプロジェクターでさえ実際には視聴環境によりカタログスペックの明るさ(ANSIルーメン)は投影面に発揮でないことのほうが多い中、さらに明るさが落ちることになる。

付け加えて言えばこれらの視聴環境による影響を販売側はおそらく把握していない。もしくは知っていてもマイナス要素になるのでそこに敢えて触れずにいるのではないだろうか。少なくともメーカーのウェブサイトやカタログにはそれら影響についていは触れていない。プロジェクター用スクリーンの設置を前提とするなら“手軽さ”をアピールできない。

光の入射角により壁紙スクリーンは実際どれほどの違いがあるのか

さすがに我が家で使っているの通常のプロジェクターを実際に下から壁に向けて当てるわけにもいかないので、代用品としてハンドライトで検証。使用したライトは自宅にあったオーム電機社製のLED懐中電灯「LEDKAISER ZOOM(型番:LHA-KS321ZSI)」。光束600ルーメンあり(このブログでよく出てくるANSIルーメンではない)、強烈な光では無いもののそこそこ明るい方だ。これを使って簡単な検証をしてみた。

今回の検証に使用したオーム電機社製のLED懐中電灯。

オーム電機 ハンディライト シルバー サイズ: 20×9×4cm

商品詳細を見る ▶

普段スクリーンとして使っている壁紙を至近距離で撮影したものが下の映像。部屋のダウンライトを点けた状態で撮影。暖色系のダウンライトなので色がついて見えるが自然光では白色。普段はこれくらいテクスチャーが見えているのでこれを仮に基準とする。

普段プロジェクターの投影に使っているスクリーン代わりのリビングの壁紙。ダウンライトを点けた状態で撮影。普段はこれくらいに見えているのでこれを仮に基準とする。

そこに先程のライトを正面から当てた状態と下から当てた状態で壁紙の凹凸の見え方の違いを確認できる。比較するのは光の当て方による明るさの違いではなく、あくまでもテクスチャーの出方に注視してもらいたい。

今回は懐中電灯を壁から10センチほど離して撮影。


正面からライトを当てた状態。ハンドライトで光量の強い中心辺りになる程テクチャーが目立たなくなる。


ほぼ同じ距離で投射した光でも下から当てるとテクスチャが目立つようになるのが分かる。

上の2点の画像比較で分かるように、この違いがプロジェクター投影時にもそのまま反映されることになる。いかに正面以外の光では壁紙のテクスチャーが影響するか、実際に超短焦点プロジェクターを設置した際どれほど影響するか想像に難くない。

ちなみに光量が少ないと、またテクスチャーが目につくようになる。

光量が少ない(光が弱い)と壁紙のテクスチャーは注視すれば多少目に付くようになるが、映画は基本的に動画という特性から人は動くモノをつい目で追ってしまうので気にならない。プロジェクターを使用する時は暗室という事もあり、黒表示になるとテクスチャーは視聴位置から全く見えなくなる。

手軽さを捨ててプロジェクター用スクリーン投影でも注意が必要

仮にプロジェクター用スクリーンを設置する場合でも平面性はかなりシビアになる。下から投影する場合はスクリーンの少しの歪みが大きな歪みとなって映し出されてしまう。手軽さを理由に超短焦点プロジェクターを設置する人がカーブドスクリーンを使うことは無いと思うが、両端に向かうほど大きく前に迫り出すように湾曲したカーブドスクリーンはまず使えない。そして通常のロールスクリーンの場合でも若干の波打ちで投影には大きく影響してしまう。ロールスクリーンでしばしば見かける波打ちは大きく2つある。ひとつはスクリーン収納時にロールバーに正しく巻き取られずクセがついたスクリーン。特徴としては横方向(水平)に何層にも渡って波立ち、スクリーンの水平ラインがボコボコした状態になる。そしてもうひとつが、ロールバーやスクリーン本体の設置状態や経年劣化により本体やロールバーの中央付近が自重により両端より下がってしまう。少し湾曲したロールバーから送り出されるスクリーンは正しく平面性を保てなくなり波打つようになる。特徴としてはV字型やU字型にスクリーンが波打つ様になる。いずれにしても下方向から投影する超短焦点プロジェクターにとっては致命的。

超短焦点プロジェクターで壁に投影して使用する場合、壁紙なら出来る限りフラットに近い方がベター。お金に余裕がある人はプロジェクター用の壁紙、もしくは全く手軽さとはかけ離れてしまうが平面性の高い常設する張り込み式スクリーンの設置になるだろう。

手軽さをウリにした壁際設置の超短焦点プロジェクター。投影していない時のリビングではオシャレで素敵に見えるが、本来の用途として映像を投影した途端に波打つ映像や壁紙の凹凸が目立つ様なら反ってカッコ悪く、言ってしまえば“ダサい”ので注意が必要だ。

プロジェクター用壁紙を探す ▶


 


コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. ホームシアター

    HDMIスプリッター,分配器,ホームシアター,プロジェクター
  2. 映画

    アリータ:バトル・エンジェル,ホームシアター,プロジェクター,映画
  3. その他

    ホームシアター ,リビングシアター,超短焦点プロジェクター,壁紙
  4. 映画

    アベンジャーズ/エンドゲーム,ホームシアター ,映画,プロジェクター
  5. 映画

    キャプテン・マーベル,映画,ホームシアター ,プロジェクター

アーカイブ




PAGE TOP

ホームシアター

4K UHDとFull HDを同時出力表示

HDMIスプリッター,分配器,ホームシアター,プロジェクター

映画

アリータ:バトル・エンジェル(原題:Alita: Battle Angel)

アリータ:バトル・エンジェル,ホームシアター,プロジェクター,映画

その他

壁際に設置できる超短焦点プロジェクターはリビングシアターに最適なのか

ホームシアター ,リビングシアター,超短焦点プロジェクター,壁紙

映画

アベンジャーズ/エンドゲーム(原題:Avengers: Endgame)

アベンジャーズ/エンドゲーム,ホームシアター ,映画,プロジェクター

映画

キャプテン・マーベル(原題:Captain Marvel)

キャプテン・マーベル,映画,ホームシアター ,プロジェクター

映画

スパイダーマン:スパイダーバース(原題:Spider-Man:Into the …

スパイダーマン:スパイダーバース,映画,プロジェクター,ホームシアター

映画

バンブルビー(原題:Bumblebee)

バンブルビー,ホームシアター,映画

映画

シャザム!(原題:Shazam!)

シャザム!,ホームシアター,映画

その他

ディズニー・デラックスにお試し加入

ディズニーシアター,Disney theatre,お試し

ホームシアター

7.1.4ch ドルビーアトモス in 家キネマ。 ─ Vol.3 ─(映画ソフ…

ドルビーアトモス,Neural:X,映画ソフト
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。