Apple TV 4K,ドルビーアトモス,Dolby Atmos,OPPO

Apple TV 4K をOPPO UDP-203に接続するとドルビーアトモスが再生できない原因

Apple TV 4KでプレーヤーのOPPO UDP-203に接続すると、ドルビーアトモス配信のコンテンツであってもドルビーアトモス出力にならない原因が分かったのでご報告。前回で「プレーヤーのOPPO UDP-203を通すと…」というところまでは結論的に半分は正解だった。しかし、原因はHDMIコネクタのバージョンや、入力されるオーディオ信号のPCMやLPCMなどの問題ではなく(今考えたら確かにと思うのだがその時は全てを疑っていたので…)、Apple TV 4KがドルビーアトモスをサポートしたtvOS ver.12から採用したドルビーアトモスのコンテナフォーマット(以下コンテナ)の問題だったことが判明。

これに関しては勉強不足だったこともあり、Apple TV 4KとOPPO UDP-203の組み合わせの問題をネット(国内)で調べたところで、ヒントになりそうなことすら全く出てこない。…この組み合わせの需要の少なさを物語っている。そこで検索キーワードを全て英語で記述して海外圏まで調査を開始。結構ヒントになりそうなコミュニティや家庭用ドルビーアトモスの技術資料(と、いうかホワイトペーパー)が見つかりやっと原因が分かった。

私もこの件に関してまだ十分な知識がないため今回は分かるような分からないような、少々小難しいマニアックな内容になることをご容赦願いたい。これからApple TV 4Kの導入を検討している人や、同組み合わせを考えている人へ向けて何か少しでもヒントやお役に立てれば幸い。

現在の家庭用ドルビーアトモスのコンテナ

フォーラムの内容のやり取りを見て、原因が「コンテナ」にあるころまでは分かったところで、「ところで『コンテナ』って何?」からスタートした。

動画における「コンテナ」とは?

コンテナとは正式には「コンテナフォーマット」のことらしく、普段よく目にする「MP4」、「MPEG」、「MKV」「AVI」、「WMV」、「FLV」等の拡張子になっているフォーマット形式でパソコンなどを持っている人なら、どれかは目にしたことがあると思う。私たちが普段コーデックされた映像データや音声データをを含んだ「動画ファイル」と呼んでいるものだ。これらを正式には「コンテナフォーマット」と呼ぶらしい(知らなかった)。「コーデック」とはこのコンテナに収められている「映像」と「音声」ファイルの圧縮方法のことを指す。例えば映像コーデックなら「H.264」とか「MPEG-4」など。音声コーデックの場合なら「MP3」や「AAC」などがある。結果、「入れ子」の様になっているのでコンテナのことも含めて「コーデック」と言っている場合もあるので少し混乱する。正直、私も混同していた。

映画などの動画は映像と音声を含めた1つのデータとして扱われる。普段あまり意識していなかったが確かに先ほど書いた各種拡張子がついた「コンテナ」は映像と音声が入った動画データだ。それはインターネットを介しての動画配信(ストリーミング)だけに限らず、Blu-rayやUHDなども同じで、映像と音声データはそれぞれ圧縮(エンコード)され、収納(コンテナ)し、送信される。映像と共にドルビーアトモスデータを収納できるコンテナフォーマットをドルビーラボラトリーズ社が開発しているのだが、その提供されているコンテナの種類がいくつか存在するようだ。今後もバージョンアップを重ねて発展していくと思われる。

まず、ドルビーラボラトリーズ社が提供する「家庭用のドルビーアトモス」をコンテナできるフォーマットの種類は以下のものがある。
※後ろの()は採用例

・(Dolby Atmos in )Dolby TrueHD(主にBlu-rayやUDHなどのディスクメディアなど)
・(Dolby Atmos in )Dolby Digital Plus(Amazon Fire TVなど)
・(Dolby Atmos in )Dolby MAT(Apple TV 4Kなど)

現在は上記3つが用意されている。その内の、「Dolby TrueHD」は可逆(ロスレス)音声コーデックでエンコードされた音声データなので容量も大きくなり(ビット深度は最大24bitで、サンプリング周波数は最大192kHz)、ストリーミングで利用するのは現実的ではないだろう。「Dolby Digital Plus」「Dolby MAT」の2つがストリーミングや放送用途として開発されたコンテナだ。
※MATは(Metadata-enhanced Audio Transmission)の略。

家庭用ドルビーアトモスの技術的構成要素と上記3つのコンテナの主な特徴としては以下の通り。(出典:Dolby Laboratories, Inc.)

Dolby Atmosやチャンネルベースのコンテンツをホームシアターシステムにスケーリングして適応させるための信号の流れ。
各種デバイスから流れてくるドルビーアトモス信号はアンプ内でデコードされる。

Dolby Atmos in Dolby TrueHD

ドルビーTrueHDフォーマットを拡張したもので、Blu-rayやUHDでドルビーアトモスコンテンツをサポートしている。ドルビーアトモス信号ではないドルビーTrueHDでは、5.1chや7.1chなどのチャンネルベースのオーディオをロスレス(データ劣化のない圧縮形式=可逆圧縮形式)でサポート。

ドルビーTrueHDコーデックにドルビーアトモスサウンド用の信号(サブストリーム)を追加し、ロスレスでエンコードされたオブジェクトベースのサウンドミックスのサポートを可能にしている。

A/Vアンプがドルビーアトモスをサポートしている場合、ドルビーTrueHDオブジェクトベースのオーディオと関連するメタデータはデコード・処理されて特定のスピーカー構成にレンダリングされ出力される。

ドルビーアトモス対応のA/Vアンプなら、以前からあるドルビーTrueHD音声の複数のサンプリング・レート(48kHz、96kHz、192kHzを含む)と、ビット深度(16ビット、20ビット、24ビット)をサポートし、Blu-rayディスクメディアやドルビーTrueHD ミュージックファイルとの後方互換性がある。

Dolby Atmos in Dolby Digital Plus

Dolby Digital Plusがアップデートされ、Dolby Atmos用にエンコードされたコンテンツを処理できる新しいデコーダーが搭載されたもの。

新しいビットストリーム・メタデータを使用してドルビーアトモス用のオブジェクトベースのオーディオを抽出し、その情報を出力してさらに信号処理を行う。

ドルビーアトモス・コンテンツのサンプリングレートは48kHzで、Dolby Digital Plusコンテンツのサンプリングレートと同様。

以前からあるチャンネルベースのDolby Digital Plus及び、ドルビーTrueHDサウンドトラックと下位互換性を持つように設計されてる。

Dolby Atmos in Dolby MAT

Dolby Metadata-enhanced Audio Transmission (Dolby MAT) エンコーダーは、固定ビットレートのHDMI接続で伝送するために可変ビットレートのドルビーTrueHDビットストリームをパックすることができる。

MATデコーダーは、ドルビーTrueHDビットストリームを解凍するために受信機側(A/Vアンプなど)で処理される。

ドルビーアトモスの導入に伴い、この技術を拡張してドルビーアトモス・コンテンツをロスレスのPCM(pulse code modulation=パルス符号変調)オーディオとしてエンコードすることをサポートしている。

Dolby MAT 2.0の主な利点は、ドルビーアトモスのオブジェクトベースのオーディオをリアルタイム演算でエンコードし、複雑な処理も遅延を最小限に抑えてソース機器から送信できる。

対応したA/VアンプのDolby MAT 2.0デコーダは、オブジェクトベースのオーディオとそのメタデータを出力し、さらに処理を行う。

Dolby MAT 2.0コンテナは拡張性が高く、HDMIオーディオ伝送の可能性を最大限に活用できる。

家庭用ドルビーアトモスはアンプさえ対応していれば、フロアレベル 24 台、オーバーヘッド10 台、サブウーファー 1 台または複数台の合計 34 台のスピーカーをサポートしている。24.1.10chシステムを実現してる一般家があるなら是非見たい!

今回のテーマとは話がズレるがこのドルビーが公開しているホワイトペーパーを読んで気づいた事がある。ドルビーアトモスはモノポールまたはバイポールのスピーカーが使用される前提で設計されている。しかし、THXが推奨していた(今もしているのか?)ダイポール・スピーカーを推奨していない。一般的に多いモノポール・スピーカーと違い、音が拡散し過ぎてドルビーアトモスの定位感が著しく損なわれるからだ。なるほど考えてみればそうだ。THXサウンドが好きでホームシアターを組んでいた人が仮にダイポール・スピーカーを導入していたらドルビーアトモスに移行するのは二の足を踏みそうな推奨内容である。どっちを取るだろう。私もダイポール・スピーカーに一時期憧れたがあんなでかいサラウンドスピーカーを設置するスペースがないのでそもそも検討すらしていないが、無理やりでも導入していなくてよかった。

Dolby MAT,Apple TV 4K,OPPO UDP-203

家庭用ドルビーアトモスに関するホワイトペーパーを参照した。15ページ程のドルビーが自社ソリューションの紹介などをまとめた社外向け報告書。

OPPO UDP-203は「Dolby MAT」コンテナに未対応

そして今回ボトルネックとなった、私が使用している主要プレーヤーのOPPO UDP-203は上記3つのコンテナの内、

・(Dolby Atmos in )Dolby TrueHD
・(Dolby Atmos in )Dolby Digital Plus

この2つをサポートしており、3つ目の「(Dolby Atmos in )Dolby MAT」をサポートしていない

Apple TV 4Kでは更にメタデータが扱えるようバージョンアップされた「Dolby MAT 2.0」コンテナを使って出力しているようだ。現時点でOPPO UDP-203はこのコンテナを扱うことができないため、Apple TV 4Kが自動判断でDolby MATではなく、互換性のある非圧縮(ロスレス)のマルチLPCMにデコードして5.1chまたは7.1chの拡張音声信号が出力される。そのためApple TV 4Kのセットアップの際に、OPPO UDP-203を接続した途端に設定画面のオーディオフォーマット項目に表示される「ドルビーアトモス可」の表示が消え、OPPO UDP-203からA/Vアンプ(marantz SR8012)が受け取った音声信号の表示が「Multi In + [D]S(urround)」と表示されていたようだ。

OPPO UDP-203では現時点で「Dolby MAT」コンテナがサポートされていない(今後も期待薄)という事なので、どうあがいてもApple TV 4Kから直接ドルビーアトモス音声は受け取れないことがこれで確定。OPPO UDP-203の対応を待つか、Apple TV 4KにHDMI出力ポートが2つ付くのを待つか、検証する必要はあるがEDID情報を操作できるスプリッターを導入するかしかない(失敗するとお金の無駄)。

Apple TV 4Kでドルビーアトモスを再生するには、私が現在行っているようにドルビーアトモスに対応したA/VアンプにApple TV 4Kを直接つなぐのが1番手っ取り早く、そして私の様にOPPO UDP-203を通してプロジェクターでアナモフィックレンズを使っている人は、A/Vアンプの映像出力を使ってOPPO UDP-203へ映像入力という接続が他の機材を追加で購入しなくて済む方法だろう。

NetflixやAmazonプライムビデオなど他社ストリーミングサービスについては各社が送ってくるコンテナに基づき、Apple TV 4Kはパススルーではなく、Apple TV 4K内でデコードされる。そのためApple TV 4Kなら全ての動画が高画質・高音質であるということにはならない(各社の配信する動画品質による)。しかし、デコードされた音声データはApple TV 4K本体から(アトモスメタデータを含めた)ロスレスのLPCMでアンプに伝送されるので、家庭の回線状況や加入プランによって帯域幅の許される範囲で各社ストリーミングサービスの最高品質で視聴できる「可能性」があるといったところか。

そこで1つ疑問が浮かぶ…なぜ同じDolby Digital Plusを使ってエンコードされたNetflixとAmazonプライムビデオの音声データはApple TV 4KでデコードされNetlixがドルビーアトモス再生できるのにAmazonプライムビデオはドルビーアトモス再生にならず5.1chまでしか対応していないのか。さらにはU-NEXTなんて2.1chだ。これはインストールした各社のアプリがそれぞれデコードしているとも想像できる(逆に考えればアプリで対応できる)が、時間もあまり取れなかった中で調べた限りでは、この辺りの資料が全く見つからなかった。ならばいっそのこと各配信会社の信号をApple TV 4Kがパススルーもしくはビットストリーミングしてくれれば良いのにと思ってしまうが、そんな素人レベルの考えは技術的に無理なのだろうか。

Apple TV 4Kの目指すところはゲーム機なのか?

Dolby MATの特徴を読んで思ったのが、Apple TV 4Kが「Dolby MAT 2.0」を採用した理由はゲーム用途だろうと想像できる。ゲーム内の周辺環境が自身が操作するキャラクターを動かすことによりインタラクティブに目まぐるしく変わるものにはアトモスメタデータのリアルタイム演算は必須であり確かに適している。家庭用の映画配信にアトモスメタデータをリアルタイム演算する必要は無い。映画においてオブジェクトの位置は映像内で予め決まっている。それが必要ならBlu-rayやUHDなどのディスクメディアでも新たに採用しているだろう。

Apple TV 4Kはゲーム機を目指しているのだろうか。だから今後発売されるであろう新たなApple TV 4Kは演算速度も速くし、容量も増やそうとしているのだろうか。かつてのAppleが発売したゲーム機「PiPP!N(日本ではピピンアットマーク)」が失敗したからリベンジか?

今後もOPPO UDP-203のサポートが受けられるかどうかがによる

と、まぁ説明のためにカタカナ用語も多く小難しい話になってしまったが、一言でいえば最初に書いたように現状では「OPPO UDP-203ではApple TV 4Kのドルビーアトモス再生はできない」ということなのだ。

OPPO UDP-203は既に製造終了しているので、「Dolby MAT 2.0」に対応するには(ゲーム機ではないので期待薄だが)、可能ならOPPO Digital社で現在も続いているはずのファームウェアのバージョンアップで対応してもらうしか解決方法はない(パススルー対応はVストレッチが効かなくなるのでヤメてもらいたい)。ハード的に無理なら仕方ないと諦めるが…お気に入りのプレーヤーだけにこのまま時代と共に使えなくなっていくのは辛い。



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