BenQ HT3550,ホームシアター,プロジェクター

BenQ HT3550 4Kプロジェクターのセットアップと映像投影

BenQ HT3550の設置を済ませてセットアップを開始。電源ボタンを入れたら何故か出力信号に1080pと表示が出たので慌てて調べて全ての接続機器を4K対応にしたまでが前回。



BenQ HT3550のセットアップ

改めて本格的にBenQ HT3550のセットアップと4K UHDのテスト投影を開始した。まずは電源ボタンを押すとスタートアップにBenQのロゴが表示され、セットアップ画面が表示される。

ー 本体の設置方法の選択 ー

起動するとまず言語設定かと思ったが、意外と本体をどのように置くかを選択する画面が表示される。親切に図解入りなので迷うことはないだろう。通常のフロント置き・天吊り(本体逆さま)・リア置き(スクリーン透過のバックライト型)・リア天吊り(スクリーン透過のバックライト型で天吊り状態)のいずれかを選択する。ついでにおよその位置合わせをしておく。

最初は当然言語設定かと思いきや置き方の選択

ー 言語設定 ー

次に、オンスクリーン(ディスプレイ)メニューの言語設定を行う。当然私は日本語を選択と思っていたら、先の設置方法で既に日本語になっているので日本語が選択されている状態。やはりなんとなく言語設定が先な気がするが、だいたい言語設定は最初の一度しか設定しないので気にしないでおこうか。

言語設定…多いな!意外なほどの多言語対応に画面を見て少し笑ってしまった。さすがワールドワイドに展開するメーカーだ。

ー キーストーンの調整 ー

キーストーン(台形補正)の調整が面に進む。後ほどメニュー画面から調整もできるし、自動でキーストーンを調整することも可能。ただし、調整できるのは残念ながら縦方向のみ。横方向にも調整できれば設置性はグンと上がるのだが…。

キーストーン(台形補正)の調整を行う。勿論あとからもでも調整可能だ

ー 入力信号の自動検出のON/OFF選択 ー

入力信号の自動検出の設定を有効にするか無効にするかを選択。HT3550はHDMI入力やUSBなど入力コネクタが複数あるのでプロジェクターがONの時にスキャンして検出すると入力信号がある入力ソースに自動的に切り替わる。よくわからなければ通常はONで問題ない。もちろんOFFに設定して本体やリモコンで手動で切り替えることもできる。

HDMI入力を自動で検出するかどうかを選択。

上記の設定は当然後からでも変更が可能になっている。ただし、これらの画面が表示されるのは箱から取り出して電源を入れた最初の1回のみ。私は最初、画面を撮影せずに一通り済ませてから改めて撮影しようと思ったら、この画面を表示させるまでの初期状態には戻せなかった。BenQの製品担当者さんに直接問い合わせても「全くの初期状態に戻す『ファクトリーリセット(というらしい)』は今後、ファームウェア・アップデートなどでできるようになるかもしれないですが、現状はできません。」との回答だった。あと、誤解のないように申し添えると、全ての設定がリセットされる「工場出荷状態に戻す」はメニュー内に存在するので、これらの画面が見られないだけ。

なので、今回は付属CDマニュアルから画像のみ抜粋して掲載することを直接許可いただいた(助かりました!ありがとうございます!)。

ー 正しく投影するにはここからが大変 ー

これで終わりと言いたいところだが、きちんと投影するにはここからがこのBenQ HT3550の大変なところ。前回の設置の時にもお伝えしたが、このプロジェクターは13度ほどの“打ち込み角”があり、タテ方向のキーストーン補正は機能として持っているが左右に対してはキーストーン補正機能はなく、スクリーンや投影したい壁に対して本体を真正面に設置する必要がある。歪みなく正しく映すには本体の置き場所から微調整が必要になる。

本体との間に何も障害物がない白壁やスクリーンなら特に問題無いが、レンズシフトがタテ方向にわずか10%しかないので間にモノがある時に避けて投影しようと思うと結構苦労を強いられる。本体が通常置きだと高い位置では天井に映るし、低過ぎると家具や部屋の他のモノに映像がケラれてしまうので、それらをうまく避けて投影する場所を探すために本体をいろいろと動かし試す必要があるのだ。私は特に投影したい場所とサイズが決まっていたので設置にはかなり苦労した。

HT3550のテストパターン。これで歪みやピントが合っているか確認できる。我が家では設置位置の都合上画面サイズが大きくなり過ぎて両端下部がスピーカーにケラれる。(角が欠けている部分)

設置の際はリモコン上部にある[TEST PATTERN(テストパターン)]を押して画面一杯の格子模様を表示させると分かり易い。台形歪みもこれでチェックする。動かした後もピントがズレていないか再度チェックする。

ピント合わせの便利グッズ。双眼鏡

私は普段メガネをかけていたりコンタクトを装着したりしているがそれでも視力は1.2ほど。レンズのピントは本体でしか合わせられないので本体付近から投影画面まで、普段の視聴位置より距離ができてしまう(約3m程)。そこでピントを合わせる時には簡易の双眼鏡をよく活用している。本体の後ろに立って双眼鏡を覗きながらピント合わせを行う。壁に貼られているわずかな壁紙のテクスチャーもよく見えるのでこれでフォーカスはバッチリ。以前にアナモフィックレンズを設置する際にピント合わせがとてもシビアだったのでその時購入したのだが、それ以来便利で使っている。それまではいちいちピントを合わせては投影面まで移動し、細かくチェックしてはまた本体の所まで戻ってピントを合わせの繰り返しだった。

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エッジの描写も素直で良好。ガンマ値は少し押さえ気味に。カラーブレーキングはよく押さえられている

シャープネスも今は特に設定を変えることなくデフォルトのままだがエッジの描写にも無理がない。ただ、ガンマ値に関してデフォルト設定ではわずかに高い気がする。デフォルトのままでは黒浮きが顕著だ。私の様に暗室で鑑賞できる環境にあるならガンマ値を少なくとも2.4〜2.5まで下げた方が黒浮きも押さえられ映像が全体的に締まり、暗部の階調表現も高くなる。ガンマは単純な輝度ではないので白ピークも犠牲にならない。

単板DLP特有のカラーブレーキングは視線を大きく早くグルグル動かすと字幕などに見られたが、映画をそんな見方する人はいないと思うので、普通に映画を見ている分にはカラーブレーキングは全く気にならなかった。しかしこればかりは個人差があるので気になる人は実機で確認してもらうしかない。

カメラを激しく動かして撮影すると、カラーブレーキングを撮影することができる。同様に目の動きを激しくすると、このように見える。

「家キネマ。」がFull HDから4K UHD(HDR対応)へ。驚愕の高画質化

それにしても、改めて自宅で観る4K UHD表示能力の高さに驚かされる。もうセットアップの時点でメニューの文字などが今までと違いエッジがなめらかで美しい。映画を映したときにはFull HDとの密度の違いが明らかに違うことが想像できる。

さて、位置もサイズもピントも完璧だ。テスト投影で4K UHDを我が家で1番最初に投影するのは当然手元にある4K UHDソフトの中から「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」。これは私の勝手なこだわりで「『最高』の画質を投影するのは今後もチャンスはあるが、『最初』投影というのは一度きり。」と思っている。やはり最初は好きな映像を映してみたいのだ。それと、少し意地悪な映像チョイスとして「ブラックパンサー」をテスト投影に選んだ。ブラックパンサーは香港の夜シーンでネイビーカラーの車とブラックパンサーの黒い衣装。路面のアスファルトの黒。全てが黒っぽい対象物と、それとは相反して背景は明るい街灯やカンバンが光る街が混在するシーンをどこまで描き分けられるかテストしてみた。

さらに付け加えるなら、個人のブログなのでどっかの風景素材集のような4Kサンプル画像等、誰が見てもピンとこない画像なんて投影しない。「このプロジェクターは『シアター用』なのだよ! 「家キネマ。」ブログの読者様にこのプロジェクターで映画を映さなくてどうする!」っと言うワケで企業サイトのような映像にボカシも入れない。個人ブログの強みだ(真正面から撮影しないのは弱腰だが)。それでは行ってみよう!


ピクチャーモードは「Cinema」で良いだろう。アナモフィックレンズを付けていないのでアスペクト比16:9では2.35:1の「スター・ウォーズ」は画面が小さく見えるので上下の黒帯を考慮して予め画面が左右一杯になる様にズームで拡大しておく。後は特にいじらずデフォルトのままで、いざ初の4K UHD上映!プレーヤー、オン!セレクター、OK!アンプ、オン!4K UHDディスク挿入!

………ドーーーーン!

ギャー!!「STAR WARS」のロゴが超綺麗!

「ギャー!スゲー!STAR WARSのロゴのエッジがボケずにキレー!背景の星々が細けー!そして多いー!何より美しー!」

…アホみたいなコメントだが自宅で初めて見た4K UHDのファーストインプレッションはこんな感じだった。

星の多さに驚く。画面は星がわかり易いように少し明るくしている。

何だコレ。今までFull HDで観ていた映像でも特に違和感を覚えなかったが、これを見るとヤバいな。今までが町の小さな古い映画館で古い映写機を使って観ていたのに対して、こんどは最新鋭のデジタル上映されているシネコンで観るような違いがある。本当に古い映写機ならまだ「味」ってものがあるだろうが、元からプロジェクターでのデジタルからデジタルなので圧倒的に4K UHDの方が良いに決まっている。

しかも今までのEPSON EH-TW6600のLCD(透過型液晶)方式とは違い、BenQ HT3550に採用されているDLP特有のカチッとした映像とピクセル同士のピッチ間の細さが映像をさらに濃密に描き出している。近くに寄って観てもなんとなくわずかにピクセル同士の隙間が見えるくらいでLCD方式とは比較にならないほど細い。BenQ HT3550の4K UHD表示ではDMDデバイスのミラーが4段階にシフト表示しているのでドットピッチはまるで見えない。以前の「アナモフィックレンズを使ったシネスコ映画はこう見える」の時と同じシーン(「スター・ウォーズ/新たなる希望」の冒頭シーン)での拡大撮影したものを掲載しておく。Blu-rayの1080p表示なのだが、それでもDMDデバイスのグリッドはほぼ見えない。


DMD自体は1080pのデバイスなのだがグリッド間は細く、視聴位置から見えない。何よりDLPプロジェクターは原理的に色の滲みが発生しない。


LCDプロジェクターで同サイズ程度の拡大表示。ノーマル状態だとグリッドが目立ち、液晶ズレによる滲みが見えてしまう。滲みは液晶アライメントを実行してもやはり限界がある。

もう少し映画を観進めていると演者の髪の毛の描写が圧倒的だ。セットされたヘアスタイルから少しだけ飛び出した後れ毛や、まつげの描写、目の端の血管や充血感、肌のキメなど女優さんにとっては「どこ見てんのよっ!」と怒られそうなほど細かく現実的に描写される。ヘルメットやバイザーに映り込んだ背景などFull HDの時には気にもとめなかったことが気になるようになり、確認できることには驚いた。

歳を重ねたレイア姫はやはり「STAR WARS」に欠かせない“いぶし銀”女優。亡くなったのが今だに悔やまれる。


アップ画像、正確な描写と色合いはこの価格帯のプロジェクターとして驚異的。

続けて「ブラックパンサー」でのテスト投影。
ブラックパンサーのコスチュームはラバー素材のマットな部分とツルッとした光沢のある部分とメッシュのような部分があり、それが夜の香港の街の煌びやかな中をネイビーカラーの車の天井に乗り走るシーン。画面に点在する明るい街の光と黒いアスファルトや車、衣装などに光が部分的に反射する、家庭用プロジェクターに対しては少し意地悪な映像。

様々な黒が同居し強い光も同時に発生するシーンだがさすがHDR。それぞれの質感がたもたれて描写されている。

恐るべしBenQ HT3550。下でも述べてるがこの価格でこの色再現性と階調表現はスゴイ。夜の香港の町をブラックパンサーが天井に乗っかり疾走するネイビーカラーの車。暗部でも車の色(ブルー系)が黒に潰れずにきちんと再現できている。

4K UHDならではのシーン。色あざやかな衣装に身を包み、細かく動く人物。

このシーンは圧巻。細かいがギリギリ人の顔(多分CGだが)が見える。LCDプロジェクターならドットピッチが粗いのでギリギリアウト。

いや〜、BenQ HT3550に限らないことだが、今までがFull HDプロジェクターだったから、この4K UHDの描写力には圧倒される。

少し懸念していたことが当たってしまった…

少し問題があるとすればやはりレンズだ。8郡10枚のオールガラスレンズを採用しているが、レンズ自体が小さいので少し懸念していた部分があった。それが色収差だ。このサイズのレンズとしては十分に押さえられていると思うが、プロジェクターは映像をかなり拡大して表示するための機器だ。しかもこのBenQ HT3550は単焦点でわずか2.5mの距離で約100インチの映像を映し出すことができる(最大ズームの1.3倍した場合)。ということはレンズが小さいにもかかわらず、それだけレンズの使用面積が広いという事になる。レンズは基本的に中心に近くなるほど性能を発揮する。最近のレンズは随分と高性能になり、中心より外側を使っても色収差は起こりにくくなっているが、やはりレンズはなるべく中心付近を使うに越したことはない。

私の場合は通常、プロジェクターにアナモフィックレンズを使う事によりやむなく画面の外側にわずかな色収差が出てしまっている映像を普段から見ているので、そんな私がいうのもどうかと思うが、BenQ HT3550はノーマル状態でも画面の両端の方にいけば行くほど色収差がわずかに出ている。

投影画面向かって右側。右斜め上に向かって色収差ボケが発生している。


続いて左側。左斜め上に向かって同様に色収差が発生。


中央付近。上に向かって色収差が発生している。やはりこのレンズサイズと打ち込み角の関連上仕方ないところ。

このサイズのレンズと“打ち込み角”があるだけに避けられない部分でもある。色収差の出方も右側は右斜め上に向かって発生し、中央付近で上に向かって発生、左側は左斜め上に向かって発生している。しかし、これはこのサイズで、この価格帯のプロジェクターに求めるのは酷な要求かもしれない。映画を観るには全く気にしないで済むレベルではあるものの視聴距離にもよるが気になる人は気になるだろう。これが気になる人はもうワンサイズ大きめのレンズを搭載したプロジェクターを狙うしかない。

感覚的な騒音レベルは…

数値を計ったわけではないし、決して静かなわけではないが騒音レベルは思った通り低い方だ。起動時だけは何の音だかわからないが大きく「ビーーーー」という音が聞こえるが(ビープ音ではなく機械的な音)、起動してから落ち着くと音が小さくなる。ファンからの風を切るような「ヴォーー」と言う音もそれほど気にならない。私の場合は後頭部直ぐ斜め後ろで耳がかなり本体に近い位置での設置だったのでそれでさらによく聞こえる状態。ただし、映画の音を出して集中して観てる時にはその距離でもノイズをほぼ忘れてしまっていた。天吊り設置や私の場合での本来の場所に設置出来ればほぼノイズで映画音声が邪魔になることはないと思う程度(決して静かという意味ではない)。

BenQ HT3550の意外なスピーカーボリューム

こういった類いと言うと失礼だが、私は映画を観るためのプロジェクターに備え付けらているスピーカーは大体「おまけ」と考えている。100インチ近い、もしくは100インチを超える画面に5W程度のスピーカーでは本来の映画の迫力も伝わらない。映画は映像も大事な要素ではあるが、意外なほど音は重要なファクターなのだ。感動するのも全身を包まれるような音があってこそ。映像だけ見て涙を流すほど感動する映画はこれまでに私は無い。

前面に置くことが前提になってしまうがBenQ HT3550は5Wのチャンバースピーカーを2台搭載している。我が家の場合は設置場所の都合上じっくり座って聞くことはできないが、BenQ HT3550のボリュームを上げると後方から意外な音が出ていることに気づき、プロジェクターの後ろに回って改めて聞いてみた。思っていたよりもボリュームが上がるし、最大音量にしても音割れしない。と言っても、やはりテレビスピーカーの大音量程度であり、映画には必要であろう重低音もほぼ聞こえない。

大型スピーカーやブックシェルフ型スピーカーと比べるのはナンセンスだが、プロジェクターの「おまけ」としては意外なほどクリアに鳴る。とりあえず外部スピーカーが使えない環境ならこの内蔵のスピーカーを使うのもアリだろう(あくまでも本体を視聴者の前に置く場合)。ウン千円程度のスマホ用(有線)外部スピーカーを使うくらいならHT3550の内蔵スピーカーを使う方が雲泥の差でいい音が鳴る(Bluetoothには非対応)。

意外に鳴る5Wチャンバースピーカー。「取り敢えず」ならアリ。

BenQ HT3550の真骨頂、色の再現性

画質について、EPSON EH-TW6600の2500ルーメンという明るさと比較すれば、BenQ HT3550は2000ルーメンと輝度が500ルーメン低いので平均的に映像が暗く感じてしまうと思ったが全くそんなことはなく、HDR効果かむしろBenQ HT3550の方が明るくコントラストも高い。リビングのダウンライト程度の明かりを点けるくらいなら十分に鑑賞でき、暗室環境なら全く問題にならない。高輝度にしたTW6600と比較すれば当たり前だが全画面真っ白のピーク状態よりはやはり低い。

しかし、普段映画を鑑賞する場合はBenQ HT3550の方が明るく、コントラストも高いのが一目瞭然だった。ただ、明るさだけで映像表現は語れずどちらかと言えば問題は色の再現性なのだが、BenQ HT3550はここからが圧倒的に優れている。BenQ HT3550は映画をきちんと映画らしく見せてくれる。それと比べるとEH-TW6600はホームシネマ用プロジェクターにしてはとてもテレビライクな映りだったのだ。

PC(解像度はFull HD)からカラーバー(グラデーション)を表示して確認。

カラーバーをPCから表示。暗部側に若干目立つバンディング(トーンジャンプ)が確認できたが概ね綺麗なグラデーションを表示している。


1番色乗りがある中間部分の拡大。色境界にも滲みが少なく、バンディングもごく僅か(グラデがモヤっているのはiPhoneカメラ撮影によるもの)。


グレートーンの表示。最上段が無段階グラデーション。筋状に見えるマゼンタカラーは写真によるもので実際には見えない。


ニュートラルグレーに対する色転びは極めて少ないが、やはり僅かに色収差による色転びは確認できる。

グレートーンの写真は瞬間を切り取るので単板DLPならではのカラーホイールの残像により顕著に見えるが(マゼンタ色)、肉眼ではわからない。表示させているPCの解像度が1080p表示なのでデバイスのドットが確認できたがやはりピッチの隙間はLCDと比べれば格段に細く目立たない。

Ultra HD Premium基準を上回るDCI-P3カバー率は伊達じゃない

HDR対応という事もさることながら色再現については、さすがRec.709を100%、DCI-P3を95%カバーできる広色域再現が可能なプロジェクターだけのことはある。「Ultra HD Premium」の基準がDCI-P3の90%以上なのでそれを上回っていることになる。

個体別のキャリブレーションレポートが付属する。


DCI-P3に対するHT3550のカバー率がグラフで示されている。グリーン側に僅かに届いていないがブルー、レッドは概ねカバーできている。

実際ビビッドな色でも飽和することなく、かなり忠実で自然な色合いが出ている。写真ではわかりにくいところが残念ではあるが、大げさに言えば映画館での記憶がそのまま蘇るようだ。

赤色が印象的なシーン、バックの赤色グラデーションとライトセーバーの赤色、エリート・プレトリアン・ガードの衣装の赤色をキチンと描き分けている。

「Ultra HD Premium」の基準となるDCI-P3の90%以上の色域カバー率はパソコンなどのモニターでは最近珍しくなくなってきたが、この価格帯のプロジェクターとしては驚きの色再現率。このBenQ HT3550の真骨頂でもある気がする。今後発売される予定のBenQ HT5550はさらにDCI-P3を100%カバーするので、これは今後当然他社もシネマ用プロジェクターなら追従してくるだろう。

とはいっても最近の有機ELテレビのような色合いに見慣れている人がBenQ HT3550の「Cinemaモード」の映像と見比べると「なんだか地味で物足りない」様に見えるかもしれない。有機ELテレビの様に非常にハイコントラストでビビッドな派手目の色合いの方が目に映えるが、本来映画館で見る色はそこまで派手な色ではない。色濃く鮮やかだがもっと自然でしっとりとしている。BenQ HT3550もこれまでに使っていたEPSON EH-TW6600と比較すると全く色乗りが違い、濃く鮮やかに映されている。EPSON EH-TW6600でいくらパラメータをいじってもハードウェア的にBenQ HT3550の様な色は表現できないので映画を観る際、このアドバンテージは大きい。


© Disney / TM & © Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved / © 2018 Marvel

映画好きのための入門機プロジェクターとしてはお勧めできる。ただし設置には要検討

細かい設定などでさらに自分好みに追い込むのもアリかもしれないが、基本的にはパラメータを触ることなくノーマル状態でも十二分に楽しめる。暗室環境なら先ほど述べたガンマ値を少し押さえるくらいでとりあえずセットアップは終了する。購入して箱から取り出し、はじめの設定さえしてしまえば誰でも簡単に本格的に映画画質を楽しめるプロジェクターになっているのは、出荷前に個体別のキャリブレーションを実施するほど今回BenQがチカラを注いだ所なのだろうと想像する。

私の場合は前回の通り映し出す決まった場所があったので設置に余裕が無く苦労したものの、本体は軽いので白壁の余裕がある場所さえ確保できれば、それこそポンと取り出してパッと表示するだけだ。お手軽ながら、それだけでじっくり腰を据えて本気で映画鑑賞を堪能できるくらい忠実な色再現(但し、暗室環境は必須)と正確な映像描写が楽しめるプロジェクターになっている。

プロジェクターには珍しく無骨になりがちなリアパネルまでにデザインが施されているので、リビングデーブルにポン置きしたとき視聴者にはプロジェクター本体の背面が見えてしまうことが考慮されている。普段使い用としてリビングの見えるところに常設しても生活環境によってはインテリアとしても耐えられるものになっている。

常設を狙った私にとっては距離があり過ぎたためアダとなったが、約2.5メートルの距離が確保できれば100インチ表示が可能なプロジェクターとなっている。イメージで言えば6畳部屋の短辺方向で100インチが可能だ…あれ?…ということは考えてみれば私が学生時代に過ごした4畳半の学生アパートでも100インチが可能ということか。学生時代に友人が借りている“むさ苦しい”アパートに集まり、20インチ程度のテレビでレンタルビデオを借りて部屋を暗室にし映画上映会をしていたのが懐かしいが、あれを今なら100インチで楽しめる時代になったのだなと思うと、なんていい時代になったんだと思う(今の学生はスマホ持つくらいだから当時の我々よりよほど金持ちだしね)。

BenQさんが掲げたHT3550のコンセプトである「5畳で100インチを実現」はそのままに、さらに画面サイズを実現するだけでなく色の再現性にも妥協がない。映画好き(映画映像が好き)な人がただのテレビ代わりとしてのプロジェクターではなく、正に映画を観るための“ホームシアター”機器として20万円を切る価格で手に入るなら、魅力あるプロジェクターだ。

〈BenQホームページ(日本サイト)〉 http://www.benq.co.jp/

 



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